箕面市立介護老人保健施設

　

この度施設長として赴任しました円山です。利用者の方々が日々の生活を快適に送れるように微力ながらお手伝いさせていただきたいと思っています。どうかよろしくお願い致します。

私は数年間発展途上国の保健省で、保健政策立案の仕事にかかわらせて頂いたことがあります。その時痛感したのは上の方針が現場職員に共有されていればいるほど地域の状態がよくなるという（当たり前と言えば当たり前の）事実でした。またそれが実現するためには、そもそも方針が明快であること、現場からの意見の吸い上げ方法が確立していること、方針を実行しやすい柔軟な組織形態があることが必要であることも実感しました。

最近、労働者の働き方を改善するための政策として働き方改革が話題になっています。ここには労働時間の短縮、労働条件の向上、労働者の尊厳の向上などが含まれます。ここに一つのデータがあります。「病院職員の満足度が高ければ高いほど入院患者の満足度は高い」というものです。これは働き方改革がサービス向上につながる良い例です。一方で働き方改革とサービス向上を両立させるなどという虫の良い話しがあるだろうかと危惧される方もおられるかも知れません。私はその心配は不要であると思っています。日本が誇る「改善」の手法によってそのような危惧は払拭されるどころか、むしろサービスの質は向上するからです。

改善とはムリ・ムダ・ムラを徹底排除する方法です。そしてムリ・ムダ・ムラがなくなれば、職場環境は確実に良くなり、仕事へのモチベーションもあがります。

その一方で改善が難しいのは、それが組織的取り組みであること、継続し続けなくてはならないこと、成果の中には一定の時間経過が必要で、そのため目的が共有されていなければ動機が下がりやすいことです。困難があるとはいえ、利用者の方々を中心に、皆さんと一緒に諸先輩方の歩んでこられた道を更に前に進めていけたらと思います。